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史跡山野貝塚整備基本計画を策定しました
市内飯富に所在する山野貝塚は、日本で最も縄文時代の貝塚が多く所在する房総半島の東京湾岸(東京湾東岸)において、現存する大型貝塚としては最も南側に位置する貝塚です。
この山野貝塚は、東京湾東岸の貝塚を考えていくうえで大変貴重な遺跡であることから、平成29年10月13日に国史跡に指定されました。
当市では、令和元年度に、山野貝塚の今後の取扱方針を定めた「袖ケ浦市国指定史跡山野貝塚保存活用計画」を策定しました。
保存活用計画策定後、史跡指定地の公有地化や各種講演会等により、山野貝塚の保存と活用に取り組んでおり、この度、保存活用計画に基づき、今後の山野貝塚の整備の具体的な方針を定めた「史跡山野貝塚整備基本計画」を策定しました。
計画の目的
山野貝塚は、現在保護すべき範囲の約72%が史跡指定され、その内の約86%が公有地となっています。
未指定地の指定及び公有地化までは今後時間を要する可能性が高いことから、公有地化した部分については、早期に確実に保存を行ったうえで、史跡の内容を把握できるよう公開活用することが求められます。
その中で、史跡の一部が適切に保存できていないこと、史跡現地において史跡の内容を把握できないこと、維持管理に大変な労力がかかることなどの課題があることから、これらの課題を解決するために整備を行います。
また、令和元年度に策定した保存活用計画において、史跡周辺の文化財や施設との一体化した活用を図るとしていることから、全体の完成形をイメージしながら、現地の整備と、周辺文化財や施設等との連携を進めていきます。
計画期間
令和5年度から12年度(8年間)
計画前半:令和5年度から令和8年度(4年間)
計画後半:令和9年度から令和12年度(4年間)
整備の基本方針
現地の整備
(1) 遺跡の保存:地下に存在する遺構や地表に痕跡を露出する貝層など、遺構と遺物を将来に向けて確実に保存します。
(2) 整備目標とする時期:縄文時代晩期を整備目標とします。縄文時代後期の特徴的な遺構は、解説施設を設置します。
(3) 縄文時代の景観の表現:中央窪地や貝層の高まり、また植生環境等からなる景観を復元的な考察に基づいて創出し、縄文時代の景色を体感できる整備を目指します。
(4) 体験できる整備:イボキサゴ採取体験や骨角歯牙製品の製作体験など縄文時代の生活を体験できる整備を目指します。
周辺関連施設等との活用連携のための整備
(5) 周辺施設との活用連携:郷土博物館を山野貝塚のガイダンス施設としても位置付け、山野貝塚に対する理解を補い、深化します。
また、周辺の袖ケ浦公園や農畜産物直売所 「ゆりの里」との周遊性を高め、交流人口や関係人口を高めるような活用を図ります。
(6) 周辺文化財との活用連携:周辺に所在する同時期の遺跡との関係性により、当地域の縄文時代後晩期の様相について考えます。
また時期の異なる遺跡や市指定文化財等と有機的な活用連携により、豊かな地域の歴史を体感できる取組を展開します。
計画の詳細はこちらをご覧ください
〇史跡山野貝塚整備基本計画
表紙、例言、目次 [PDFファイル/4.42MB]
第1章 計画策定の経緯と目的 [PDFファイル/21.47MB]
第2章 計画地の現状 [PDFファイル/39.36MB]
第3章 史跡等の概要及び現状と課題 [PDFファイル/33.37MB]
第4章 基本方針 [PDFファイル/679KB]
第5章 整備基本計画 [PDFファイル/40.73MB]
第6章 整備イメージ図 [PDFファイル/3.35MB]
資料編、奥付 [PDFファイル/547KB]