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発掘されたご先祖様の足跡 上大城遺跡、寒沢遺跡・寒沢古墳群・愛宕古墳群
発掘されたご先祖様の足跡 上大城(かみおおしろ)遺跡、寒沢(さぶさわ)遺跡・寒沢(さぶさわ)古墳群・愛宕(あたご)古墳群
袖ケ浦市内には500箇所を超える貝塚や古墳などの遺跡(周知の埋蔵文化財包蔵地)があることをご存知ですか?
生涯学習課では市内にある遺跡の保護を行っておりますが、開発等によりやむをえず破壊されてしまう遺跡や、市内の歴史を知るうえで欠かすことのできない遺跡については、発掘調査を行い、その成果を皆さんに「発掘調査報告書」という形でご報告しています。
現在、遺跡からの出土品を誰もが検索・使用しやすいように再整理を行い、再整理した遺跡を知ってもらうために遺跡発表会や展示会をする事業を行っています。
ここでは、平成30年度に再整理をした遺跡と、遺跡発表会・展示会の様子をご紹介します。
平成30年度出土品再整理遺跡位置図 [PDFファイル/1.38MB]
上大城遺跡 ―民間仏教が伝わった遺跡―
上大城遺跡は代宿地区にある遺跡で、過去に3回の発掘調査が行われました。発掘調査の結果、古墳時代前期(今から約1,600年前)や、奈良・平安時代(今から約1,100~1,300年前)の集落が発見されました。また、奈良・平安時代の集落からは、瓦塔(がとう)(五重や七重等の塔を模して作った焼物製の小型の塔)や浄瓶(じょうへい)(僧侶が持たなくてはならなかった道具の一つ)等の仏教的色彩が強い遺物が出土しました。
寒沢遺跡・寒沢古墳群・愛宕古墳群―小櫃川左岸に脈々と続いた古墳群―
寒沢遺跡・寒沢古墳群・愛宕古墳群は永吉地区にある遺跡で、平成元年から平成6年にかけて発掘調査が行われました。調査の結果、寒沢遺跡からは弥生時代後期から古墳時代前期(今から約1,600~1,900年前)集落、寒沢古墳群からは古墳16基(方墳4基、円墳12基)、愛宕古墳群からは古墳10基(方墳2基、円墳8基)が発見されました。愛宕古墳群から見つかった古墳の埋葬施設からは、鉄剣や壺、臼玉(石製の細い管を輪切りにした形状の玉)などの遺物が多数見つかり、遺物の出土状況は埋葬時の儀礼の様相を示したものと考えられています。
寒沢遺跡・寒沢古墳群・愛宕古墳群解説 [PDFファイル/414KB]
遺跡発表会・展示会
平成30年度は、近年に再整理・発掘調査を実施した市内の遺跡について、「袖ケ浦市の古墳-袖ケ浦市遺跡発表会-」というタイトルで、遺跡発表会を実施しました。
また、平成30年度に再整理を実施した上大城遺跡(所在地:蔵波)については長浦公民館で、平成28年度に発掘調査を実施した大竹古墳群(所在地:大竹)・打越北上原古墳群(所在地:打越)については平川公民館で展示会を実施しました。
遺跡発表会及び展示会では、遺跡から出土した土器や馬具などの資料や、発掘調査時の写真等を使って遺跡の紹介を行いました。市職員による解説のもと、来場された方々に地元の歴史に親しんでいただきました。
〇遺跡発表会
「袖ケ浦の古墳-袖ケ浦市遺跡発表会-」
開催日:平成31年8月25日(土曜日) 会場:長浦おかのうえ図書館
〇長浦地区展示会
「The Culture2 上大城遺跡~民間仏教が伝わった遺跡~」
開催日:平成31年11月10・11日(土曜日・日曜日) 会場:長浦公民館
〇中富地区展示会
「平川公民館を眼下に望む打越・大竹の大古墳群」
開催日:平成31年11月10・11日(土曜日・日曜日) 会場:平川公民館