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【椎の森里山会 赤松さん】市民が憩える美しい里山を再生。たくさんの思い出をつくってほしい

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年11月1日
赤松さんのプロフィール画像

住宅街のそばにある里山「しいのもり」を守っています

しいのもり里山会の活動の写真

袖ケ浦には、住宅街のすぐそばに「しいのもり」という里山があるのをご存知でしょうか? 名前のとおり、椎の森工業団地に隣接し、袖ケ浦ICから1.5kmほどの場所にあります。私はこの里山を守る活動を行う「椎の森里山会」に参加しています。

しいのもりは、調整池を含む20haの広さをもつ豊かな野山。元々は雑木林と休耕田でしたが、里山会と市が協力して整備し、散策路や展望台、休憩できる東屋などがつくられました。その結果、四季折々の動植物が顔を見せ、きれいな花を咲かせるまでに。平成21年からは市民の憩える里山として解放されています。

椎の森里山会には、現在、約40人がボランティアとして参加。活動のメインは月2回の下草刈りですが、メンバーそれぞれが気になる場所や得意分野を活かして活動しています。そのほか、市民参加の自然観察会や稲刈りなどのイベントを催したり、イベントで活動内容を写真パネルにして展示するなど、市民に愛される里山をめざしています

イノシシ鍋やツルかご作りなどイベントは大人気!

インタビューをうける赤松さんの画像つるかご作りの写真

椎の森里山会では、1年間に渡って野山の四季を楽しめるイベントも開催しています。春と秋の年2回開催する自然観察会では、散策路を案内し、傍らに顔を出す動植物を紹介。昨年は、森で捕獲したイノシシを料理し、イノシシ鍋にして振る舞ったところ好評を博しました。

1月に開催したツルかご作り体験では、アケビや藤のツルを使って、思い思いの大きさのツルかごを作ってもらいました。ツルかごは小物入れにするだけでなく、買い物かごや鉢カバーとしても利用できます。50~60代の女性に人気で、市の広報にて告知したところ、すぐに定員がいっぱいになりました。

小学生の子どもたちに対しては、市民会館が行う子どもチャレンジ教室で木工づくりなどを指導。鳥の巣箱づくりや竹馬づくりに協力しました。こうしたイベントができるのは、里山会のメンバーにイノシシをさばける人、木工が得意な人など、その道の名人がいるおかげ。それぞれのメンバーが自分の得意分野で、楽しみながら催しを企画。そのほか、田んぼや畑で稲や作物を育て、それを収穫するイベントも行っています。

椅子に座ってインタビューをうける赤松さんの画像

美しい里山ならではの生き物や植物が戻ってきました

活動を始めて10年余り経ったいま、力を入れているのが、環境保全。元々、自生していた生き物や植物を増やす活動をしています。最近では、水辺の整備をすることで、ゲンジボタルが川沿いを飛び交うように。これからはトンボや水鳥が飛んできてくれることを期待しています。また、絶滅危惧種であるトウキョウサンショウオを孵化して育てています。

貴重植物の保護も大切な役目。最近は、チダケサシやタシロラン、オカトラノオを発見しました。こうした植物は下草刈りのときに、誤って刈ってしまわないよう、印を付けたり囲ったりして守っています。一方、産業のために持ち込まれた植物は伐採しています。マテバシイは、海苔ヒビの材料として房総に持ち込まれましたが、本来は九州に分布するもの。伐採した後は、桜やモミジを植えようと計画しています。

こうした活動をとおして、しいのもりが市民の憩いの場になることが目標です。家族でお弁当を広げてもらったり、虫取りをした経験が子ども達の思い出になってくれたらうれしいもの。自然と共生した場所での経験があれば、大人になっても地元をいつくしむ気持ちが生まれると思います。

・水と緑のさと 「蔵波小鳥の森・しいのもり」(内部リンク)

・「しいのもり」でボランティアのみなさんが里山づくりをしています(内部リンク)

取材日 2018年8月20日
interview&text by Okamoto Nozomi
photo by Okada Keizo(インタビュー写真)

赤松さんとスタッフが笑顔で並んでる画像
しいのもりの建物の画像
脱皮したトンボの画像
木を這うかたつむりの画像