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【武井製茶工場 武井さん】袖ケ浦の名産品「お茶」を、全国に広めたい

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月1日
武井さんの:プロフィール画像

温暖な袖ケ浦は、おいしいお茶の名産地です

武井さんが茶畑にいる画像

全国的な知名度はありませんが、袖ケ浦市は隠れたお茶の名産地です。私は、市内に3軒ほどある製茶工場の1つ、武井製茶工場の長男として生まれ、家族と共に働いています。お茶はもともと亜熱帯性の植物で温暖な気候でしか育ちません。それは茶葉の新芽に霜が降りると、真っ黒になってしまうから。日本の生産地のなかには、ファンをまわして霜対策をしている地域もありますが、温暖な袖ケ浦では対策をしなくても茶葉が育つ良好な環境にあります。

当社では、お茶の生産から製造・販売までを一貫して行っています。茶畑は内陸部の丘陵地に約3ヘクタールあり、近くの工場で製造します。工場の脇に直売所があるので、そこでの接客も仕事のうち。ほかに、スーパーや農協の直売所、道の駅でも販売しているので、そちらへ納品に行くこともありますし、インターネット販売の発送業務をすることもあります。お茶の生産から販売までやるのは大変ですが、ものづくりはおもしろいですし、お客さんの反応を直接聞けるのもうれしいですね

甘みとうまみにこだわっているので、緑茶は一番茶の深蒸しオンリーです!

茶葉を持つ手の画像茶畑の中で話す武井さんの画像

武井製茶は、天保の時代から100年以上もの歴史があります。一番のこだわりは、ずばり味。ふくよかな甘みが出るように、煎茶からほうじ茶まですべて深蒸し製法で仕上げています。深蒸しは、通常の倍の時間をかけて蒸すため、手間がかかります。茶葉が粉状になるため見た目はよくはないのですが、形にこだわるよりも味で勝負したいので、これはゆずれません。また、色鮮やかで濃い味わいになるように、有機肥料を使用しています。ここ20年は畑に農薬も使っていません。

一般に緑茶は1年に3~4回収穫できます。4月下旬~5月中旬まで収穫するものを一番茶、6月下旬以降を二番茶や三番茶、9月~11月を秋番茶といいます。当社の緑茶は、一番茶しか収穫しません。残りは、次の年の肥料にすることがほとんど。やはり、うまみや甘みを優先するなら、一番茶が最もおいしいからです。ペットボトルのお茶が出回っている時代だからこそ、本当においしいお茶を飲んでもらいたいという思いがあります

笑顔の武井さんの画像

和テイスト紅茶“和紅茶”がヒット! 市内の若手経営者ともコラボしています

いま、一番の課題は若い世代のお茶離れです。ペットボトルのお茶は飲んでも、急須で淹れたお茶は飲まれなくなっています。そこで、若い世代にお茶を飲んでもらおうと、4年前に作ったのが『和紅茶』。これは、紅茶のような甘みがありつつ、緑茶のようなすっきりとした後味が楽しめる和テイストの紅茶です。2~3年かけて納得の味になるまで、一人で試行錯誤して作りました。パッケージも、若い人に手に取ってもらいやすいデザインにし、食卓に置きやすい自立型のパッケージにしました。販路としては、直営店や農協の直売所だけだったのですが、この春、新聞に取り上げられたことで、全国から注文が殺到。以前の5倍の売上げになりました。

和紅茶は、市内の菓子店ともコラボレーション。和菓子店や洋菓子店を営む同世代に協力を得て、和紅茶入りの饅頭やサブレを製造・販売してもらっています。ほかに市の直売所『ゆりの里』でも和紅茶アイスを展開。ゆりの里では、イベントもやっていて、5月には新茶まつりとして新茶のすくい取りをやりました。実は、まだ袖ケ浦でお茶を作っていることを知らない市民もいます。対面販売でお客様とコミュニケーションすることから始め、もっと袖ケ浦のお茶を広めていきたいですね。

武井製茶工場のホームページ(外部サイト)

袖ケ浦市農畜産物直売所「ゆりの里」のホームページ(内部サイト)

取材日 2018年6月13日
interview&text by Okamoto Nozomi
photo by Okada Keizo(インタビュー写真)

笑顔の武井さんの画像
ゆりの里での新茶まつりの写真
お茶が注がれている湯飲みの画像
和紅茶ティーパックの画像