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【読み聞かせボランティア 今井さん】幼い頃から絵本の世界を旅することで、すこやかな未来が拓けていく

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月1日
今井さんのプロフィール画像

赤ちゃんから小中学生まで! 読み聞かせで絵本の世界を身近に

絵本の読み聞かせの写真

読書が盛んな袖ケ浦市には、3つの図書館と2つの公民館図書室があります。そのなかで、最も大きな規模を誇るのが、中央図書館です。私は、昭和61年の開館の後に発足した「おはなし会ボランティア」で読み聞かせを始めて、31年になります。「おはなし会」は、図書館や保育園、小中学校などで物語や科学の絵本の読み聞かせをしたり、歌や手遊びを20~30分かけて行うプログラムです。

定期的に読み聞かせを行う保育園では、子どもたちの成長にあわせて段階的に本の種類をステップアップさせます。一方、さまざまな年齢の子どもたちがくる図書館で行う場合は、聞き手の年齢や季節によってテーマを変えています。今年からは、赤ちゃんの読み聞かせプログラムもスタート。生まれたばかりの頃から、絵本の世界にふれられるようになりました。現在、ボランティアとして活動しているのは、22人。ボランティア希望者は、研修を受けて読み聞かせの方法などを学びます。私はこの研修のほか、東京こども図書館でストーリーテリングの講習会を2年間受講しました。意識を高く持って、ボランティアにのぞんでいる人が多いですね。

登場人物と心を1つにすることで、正義感や努力の大切さを自然と感じとります

インタビューにこたえる今井さんの画像絵本の読み聞かせの写真

読み聞かせは、子どもたちが絵本の世界に集中できるよう、やや部屋を暗くして、ロウソクの明かりを灯してから行います。「これはお話のロウソクです。ロウソクに火がつくとお話が始まります。――昔むかし、あるところに…」という具合に。お話が始まると、子どもたちは物語の世界に引き込まれ、登場人物と心を1つにしていきます。

例えば、「オオカミと7匹の子ヤギ」を読むと、ずる賢いオオカミに対して反感を抱く子もいれば、子ヤギがだまされないようにと祈る子もいます。長く読まれ続けている絵本には、悪いことをしたら罰を受ける、がんばったら報われるというメッセージが、ストーリーの中に自然と刻み込まれています。ある小学校では、読み聞かせの後に、皆で感想をシェアする時間を設けました。児童同士が感想を述べ合うことで、人それぞれ受け取る感想が違うことを知り、より深く物語を理解する助けになります。このように絵本で心を動かされた経験があれば、正義感や努力の大切さを自然に感じとるようになるもの。絵本には、教科書にはないチカラがあるのです。

図書館内で立っている今井さんの画像

絵本は子どもの未来をすこやかに育むための贈り物

今年からは、1歳の赤ちゃんを対象にしたおはなし会をスタートしました。赤ちゃんは、理解できる言葉が少ないので、プログラムでは聴覚や視覚をフルに使います。まず、チューリップ(咲いた咲いた)の歌を、色とりどりのチューリップが次々に登場する演出で歌い聞かせた後、赤ちゃんの声と私たちの声がこだまするように一緒に歌います。ほかに、動物が飛び出る大型絵本を効果的に見せるといったこともありますね。リズムをつけた言葉を聞かせ、共に歌うように繰り返すと、赤ちゃんはとても楽しそうにケラケラと笑います。まだ小さな頃からたくさんの刺激を受け、明るく成長してくれるといいですね。

絵本の中には今でも美しい日本語が存在し、出会うことができます。昆虫や乗り物など子どもたちの興味の対象を広げるにも、絵本が果たす役割は大きいでしょう。子どもは夢中になるものを見つけることで、考える機会を得て、成長していきます。絵本は子どもたちをすこやかに育むための作者からの贈り物。未来を照らしてくれる絵本の世界を、これからも届けていきたいと思います。

袖ケ浦市立図書館ホームページ(外部リンク)

取材日 2018年7月11日
interview&text by Okamoto Nozomi
photo by Okada Keizo(インタビュー写真)

絵本を持つ今井さんの画像
図書館の外観画像
POPのついた本棚の画像
図書館内の画像