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【特別支援教員 土橋さん】純粋な児童たちの心と向き合って学校生活を支援しています

印刷用ページを表示する 掲載日:2019年11月1日
特別支援教員土橋歌織さんのインタビュー写真

こどもの心の成長に向き合う特別支援教員

特別支援教員土橋歌織さんのインタビュー写真

 袖ケ浦に12校ある小中学校では、児童生徒へのきめ細やかな支援を行うために、担任や基礎学力向上支援教員のほかに特別支援教員が配置されています。基礎学力向上支援教員は算数などを中心に学習面を支援する役割がありますが、特別支援教員は学校生活や学習に何らかの苦手さを感じている児童生徒をサポートするのが役目。4月から夏くらいまでは入学したばかりの小学1年生を中心に支援することが多くなりますが、ほかの学年でも教室になじめない児童がいる場合には個別にみることもあります。児童や学校の状況に合わせて、スケジュールを組んで動いています。

 私は長浦小学校へ勤務して今年で4年目です。現在は、1年生を中心に時間割を組んで3クラスをまわっています。教室では集団に遅れがちだったり、困っている様子が見える児童の補助や、学習に困難を感じている児童について教えたりします。気持ちの落ち着かない児童や不安定になっている児童を別の教室で個別に対応することもあります。いろいろな理由で集団の中での生活に苦しさを感じていたり、心の成長が追いついていない児童とは、じっくり向き合う必要があります。

まずは信頼関係づくり すべての思いと感情を共有

授業風景の写真授業風景の写真

 支援する児童と向き合う第一歩は、信頼関係を築くことです。本人が学校生活をみんなと送ることに難しさを感じているような時は、毎日を一緒に過ごして、楽しいことやうれしい気持ちを共有するのが先決。こちらがやってほしいことや本人を否定することは避けて、ありのままを受けとめ、待つ姿勢が大事です。信頼関係ができれば、こちらの声にも耳を傾けてくれるようになるので、少しずつやってほしいこと、やってはいけないことを伝えていきます。

 袖ケ浦では特別支援教員が分校を除く小中学校の全校に配置されているので、年に数回集まって研修や報告会があります。特別講師を呼んでの講習会やグループディスカッションなどプログラムはさまざまです。特別支援教員は、それぞれが自身の経験や判断で児童生徒と向き合っているので、話しあう場が必要。皆さん、話し合いたいこと共有したいことがたくさんあるので、そうした場があるのは助かっています。ほかの学校の様子を聞いて、支援に取り入れることもあります。

特別支援教員土橋歌織さんのインタビュー写真

ありのままのこどもたちと向き合って適切な支援を

 今の仕事のやりがいは、にぎやかな声に囲まれて、こどもたちとありのままで正直なやりとりやふれあいができるところです。気がつくと、指を使って計算ができるようになっていたり、給食が全部食べられるようになったり、大きな声をあげるのを我慢できるようになったり。昨日までとは違う成長を見せる場面に出くわすのは、励みになります。そして、思うままで嘘のつけない行動をしたり、ついつい本音を言っていたりとありのままな姿が見られるのもうれしいもの。児童や生徒たちは待っていれば、必ず成長を遂げます。素直な時期に、特別な関係性が築けることを、大切にしていきたいという思いがあります。

 児童生徒にとって学校は、勉強する場であるとともに集団生活の場です。のびのびと育ってほしいとはいいますが、やはり社会的な制約があるのを知るところ。そのなかで私たちは適切な支援をする役割があります。しかし、すぐそこに正解がないのがこの仕事のむずかしさです。ともに喜びや達成感を味わうことを大切にしながら、向き合うことで答えが見えてくるものだと思います。これからも一人ひとりにとって、適切な支援とは何かを考えながら、毎日を充実させていきたいと思います。

取材日 2019年7月18日

interview&text by Okamoto Nozomi
photo by Okada Keizo(インタビュー写真)

特別支援教員土橋歌織さんのインタビュー写真
教室の風景
教室の風景
教室の風景