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【読書指導員 松井さん】図書館の「調べ学習」で、子どもたちの好奇心と学ぶ力がアップ!

印刷用ページを表示する 掲載日:2018年9月1日
松井さんのプロフィール画像

「本が好き!」子どもたちの笑顔が読書指導員の喜び

生徒と話す松井さんの画像

22年前から、袖ケ浦市の小中学校の学校図書館で読書指導員をしています。当時は、横浜から子育て環境に惹かれて移住した頃。広報で募集を知り、勤務しはじめました。その後、司書教諭の資格も取り、小学校4校と中学校1校を経て、現在は昭和中学校に勤務しています。袖ケ浦市には13の小中学校がありますが、読書指導員は全校に配置される専任体制。これは全国的にも珍しく、それだけ教育熱心な市といえると思います。

読書指導員は、小学校では『読書の時間』で読み聞かせや本の紹介、貸し出しを行っています。高学年になるにつれて教科の調べものが増えてくるので、支援することが多くなります。中学校に入ると、『総合的な学習の時間』の中で調べ学習をサポートしたり、教科担任と連携して学習に必要な資料を集め授業のサポートもします。学校図書館にはPCやプリンター・コピー機も設置されているので、インターネットを使った情報の集め方を指導することもありますね

「図書館を使った調べる学習コンクール」で入賞作品数18年連続全国1位

生徒に話しかける松井さんの画像生徒と話す松井さんの画像

袖ケ浦市では、図書館振興財団が行う『図書館を使った調べる学習コンクール』に多くの子ども達が出品しています。上位入賞作品数は18年連続の全国1位で、毎年のように最高賞である文部科学大臣賞を受賞。昨年も市内から3906点の出品があり、文部科学大臣賞にも選出されました。このコンクールは、夏休み中に自主的に設定したテーマを調べあげ、それを50ページ以内にまとめて提出するもの。昭和中学校では、夏休み前にどんなテーマを設定するか、どのように調べを進めていくかをガイダンス。調べる方法や疑問について、夏休みの開館日も含め相談に乗っています。

例えば、昨年は『ドローンが変える未来』をテーマにした生徒がいました。学校図書館に資料が見当たらなかったので、市立図書館で利用できる資料についてアドバイス。さらに、市の広報に載っていた袖ケ浦ドローン協会の情報を伝えました。その後、話を聞きに行ったり、夏休みにアメリカに行って災害でドローンがどう活躍したかを調べ、レポートにまとめました。中学生になると、調べ学習はまとめて終わりではありません。プレゼンテーションのレクチャーを受け、全員が生徒の前で発表。自分が調べたものを伝えるまでを行います

生徒の横に立っている松井さんの画像

調べ学習での一人ひとりの成長が、クラス全体を高めています

調べ学習は、情報を収集し、まとめ、発表するというプロセスをとおして、自ら学ぶ力を育みます。この経験から、大きく成長する生徒もたくさんいます。例えば、調べ学習をする前、A君は授業で活発に発言するタイプではありませんでした。それが調べ学習のクラスの班代表に選ばれたことによって奮起し、165人の前で原稿を見ることなく立派に発表しました。その堂々とした様子を見たクラスの生徒たちからのA君の評価は変わり、クラス全体の刺激にもなったようです。もちろん本人も人前での発表をやりとげたことで、自信をつけました。

袖ケ浦市は、学校図書館だけでなく市の図書館も充実し、学校図書館と必要な図書を共有する「図書物流システム」を備えています。また、学校の教育設備やサポート体制も充実しています。そのため、近隣の自治体と比べても、教育水準の高さが自慢です。私自身も袖ケ浦市で子育てしてきた分、それは十分に感じます。これからも、本が好きな子、好奇心に従って調べる意欲的な子を学校図書館から育んでいきたいですね。

 

取材日 2018年6月13日
interview&text by Okamoto Nozomi
photo by Okada Keizo

 

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