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あなたもできる応急手当「心肺蘇生法」
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更新日:2023年12月20日
目の前で大切な家族や友人が突然倒れた場合、その命を救うには、居合わせた「あなた」が心肺蘇生を行うことが最も大切です。
胸の真ん中を強く圧迫する「胸骨圧迫」と口対口で息を吹き込む「人工呼吸」を心肺蘇生法といいます。
心肺蘇生法の手順
1.安全の確認
- 傷病者の救助の前に、自らの安全確保を優先します。
- 車が通る道路や煙が立ち込めている室内などは、特に気を付けます。
2.反応の確認と119番通報、AEDの手配
- 傷病者の肩をたたきながら声をかけ、反応があるかないかを確認します。
- 呼びかけに対して目を開けるか、返答または目的のある仕草がなければ反応なしと判断します。
※反応の確認の判断に迷う場合、わからない場合は反応なしと考えて行動します。
- 大きな声で周りに助けを求め、協力者を集めます。協力者には具体的に依頼するようします。
- 電話のスピーカー機能を活用し、119番通報時の通信指令員の指導を受けましょう。
3.普段通りの呼吸があるかないかを確認
- 傷病者の胸と腹を見て、普段通りの呼吸をしているか10秒以内に判断します。
- 普段通りの呼吸がない場合、判断に迷う場合は心停止と判断し、胸骨圧迫を開始します。
4.胸骨圧迫を30回行う
- 胸の真ん中にある胸骨の下半分を、片方の手のひらの付け根を置き、他方の手を重ね両手で圧迫します。
- 真上から垂直に胸が約5センチメートル沈むように圧迫します。
- 1分間に100~120回のテンポで連続して絶え間なく圧迫します。
- 圧迫と圧迫の間(圧迫を緩めるとき)は、十分に力を抜き、胸が元の高さに戻るようにします。
※乳児には両乳頭を結ぶ線の少し下を目安とした胸骨の下半分を指2本で、胸の厚さ約3分の1の深さを目安に圧迫します。
※小児には両手または体格に応じて片手で、胸の厚さ約3分の1の深さを目安に圧迫します。
5.人工呼吸を2回行う(難しければ胸骨圧迫のみを行う)
- 片方の手を傷病者の額に当て、他方の手の指2本で傷病者のあご先を持ち、頭を後ろにのけぞらせ、あご先をあげることで気道確保を行います。
- 口対口で鼻をつまみながら息を吹き込みます。
※乳児の場合は、口対口鼻で行います。
- 1回1秒間かけ、胸が上がる程度行います。
- 胸が上がらなくても吹き込みは2回までとし、胸骨圧迫を再開します。
6.心肺蘇生法(胸骨圧迫と人工呼吸)の継続
- 胸骨圧迫30回と人工呼吸2回を繰り返し行います。
- 救急車が到着し救急隊員と交代するまで、または傷病者が目的のある仕草をするまで絶え間なく続けます。
救急車が到着するまで全国平均で約9分かかります。救急隊に引き継ぐまで心肺蘇生法を続けることで、その方の社会復帰率が上がります。
消防署では、市民の方を対象とした救命講習会(心肺蘇生法とAED)を実施しています。
大切な人を救うために受講してみてはいかがでしょうか?