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【袖ケ浦市商工会 小倉さん】地域の事業者と一緒に悩み、解決策を考える商工会
悩みを聞いて一緒に解決策を考える経営指導員に
袖ケ浦市商工会で経営指導員として、地元の商工事業者のみなさんから相談をうけて4年目になります。商工会の経営指導員は、銀行などの民間企業を経験してから中途で採用される方が多く、私自身も小売業や工場用の資機材を取り扱う商社での勤務を経て、商工会に入りました。
前職の小売業や商社では、お客様や取引先から相談を受けて、一緒に解決策を考えていくような仕事が好きだったのですが、実は商工会の仕事も似ている部分があるんです。地域の経営者の方から相談を受けて始まる仕事が多いので、何かと相談されやすい自分の性格にも向いているのかな（笑）、と。ちょうど、結婚して子どもも生まれていたので、安定して長く勤められる仕事に就きたいという気持ちもあり転職を決意しました。
現在、自分の仕事は、融資の相談や補助金の申請のお手伝い、創業支援や商工会青年部の運営補助などが中心です。商工会の融資は日本政策金融公庫を活用するので、利率をだいぶ抑えることができます。ただ、融資までの時間が少しかかる場合もあるので、状況に応じて銀行からの融資を案内するなど、柔軟に対応することを心がけています。商工会の融資相談は、公庫との間に身近な経営指導員がワンクッション入るので、気軽に相談できることも大きなメリットだと思いますね。
コロナ禍で苦しむ地元企業を支援したい
新型コロナウイルスの影響を受けて、市内でも昨年から融資や補助金の相談件数が大きく増えました。融資でいえば、1回目の緊急事態宣言が出た時が一番多くの相談、申込がきました。飲食業関係を中心に、緊急事態宣言が出てから最初の数カ月で通常の1年分の申し込みがありました。
持続化給付金などの補助金の申請についても、地元の経営者の方たちの中には、行政への申請書類の作成やインターネットを使った手続きが苦手な方も多いんです。そうした相談を気軽に行っていただくのが、地域密着の商工会の役割だと思っています。こうした地域経済の潤滑油というか、裏方仕事は商工会の得意とするところ。ぜひみなさんに活用してほしいと思っています。
新型コロナウイルスの影響を最も大きく受けた飲食業には、商工会でも様々な支援を行っています。本年度の受付は終了してしまいましたが、テイクアウトマップやアプリでのPR、容器購入代の補助事業を行いました。今後も様々な支援事業を実施出来るよう、検討をしているところです。
飲食業に限らず、サービス業や小売業などコロナの影響を受けている事業者さんは幅広くいらっしゃいます。そこで商工会では相談窓口として、「新型コロナウイルス対策ワンストップ相談事業」を始めています。中小企業診断士や社会保険労務士、弁護士などに無料で相談でき、売り上げ減少に対する経営相談だけでなく、休業手当の申請方法など専門家の立場からアドバイスをもらうことができます。
地域密着の商工会だからできること
今後は地域の事業者も「withコロナ」や「afterコロナ」を見据えたビジネスモデルを考えていかなければいけないと感じています。なかなか正解が見いだせない中、自分自身も様々な情報を得られるようアンテナを常に張るようにしています。アイデアや成功事例を地域の事業者さんと共有し、個々のお店や地域にあった形で広げていければ嬉しいですね。一店逸品事業のように、個々のお店や企業の魅力・技術を磨き上げるお手伝いも大切だと感じています。
テイクアウト事業は、飲食店の方からも喜びの声をいただいていて、それはやっぱり励みになります。マップに掲載したお好み焼き屋さんから「初めてのお客さんが増えたよ！」と声をかけてもらえた時は嬉しかったですね。お店とお客さんの最初の接点として、テイクアウトってすごく入りやすいと思うんです。まだまだコロナの感染状況は油断できないですが、テイクアウトをきっかけに、その後にお店の常連さんになっていただけるような好循環を起こしていきたいです。
コロナ禍の中で商工会への融資や相談が大きく増えたように、地域密着の商工会が果たせる役割はまだまだあると感じています。自分自身も切磋琢磨しながら、地域の商工事業者のみなさんと一緒に悩み、解決策を考える、そんな役割をこれからも続けていきたいです。
取材日 2021年2月9日
