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令和6年度 国史跡山野貝塚の発掘調査が終了しました
袖ケ浦市教育委員会生涯学習課では、平成29年10月13日に国史跡に指定された山野貝塚の発掘調査を令和6年9月より実施しました。
11回目となる今回の調査は、今後の山野貝塚の整備の資料を得るために、山野貝塚を特徴づける遺跡中央の窪みと窪みの周囲に展開する高まりとの境界を探ることを目的として調査を行いました。
※赤色で示した箇所が令和6年度の調査範囲
令和6年度に実施しました発掘現場の日々の作業などについてHPで発信します!
※発掘調査は9月から11月下旬までの晴天時の平日に実施しました。
※速報で掲載されています、発掘調査現場は埋め戻されています。
※HPにて発信している内容と図・写真は許可なく転載することを禁じます。
山野貝塚とは?
山野貝塚は袖ケ浦市飯富に所在する、縄文時代後~晩期(今から約4,500~2,500年前)にかけて連綿と営まれた貝塚を伴う遺跡です。
大正時代からその存在が知られており、昭和48年をはじめとして、これまで10回の発掘調査が行われてきました。
山野貝塚が所在する東京湾東岸は、日本で最も多く縄文時代の貝塚が分布する地域になりますが、山野貝塚は東京湾東岸に現存する大型貝塚の中で最も南側に位置する貝塚であり、東京湾東岸の貝塚群を考える上で非常に重要な遺跡であることから、平成29年10月に国史跡に指定されました。
令和6年度山野貝塚調査速報
11月15日(金曜日)天気:曇りのち晴れ
これまで2か所の調査区で掘削を行い、調査を実施してきましたが、図面記録も終了し、
掘削時と同様に人力で調査区の埋め戻し作業を実施しました。
無事に2か所の調査区の埋め戻しが本日をもって終了しました。
来週は、職員のみの現場撤収作業となり、作業員さんの作業は本日で終了となります。
それに伴い、調査速報の記載も本日をもって終了いたします。
日々の調査について断片的ではありますが、速報としてお伝えいたしました。
これからは出土した遺物の整理作業を実施して、来年度以降に成果を公表できればと思います。
これまで調査速報をご覧いただきましてありがとうございました。
11月12日(火曜日)天気:晴れ
先日より調査していました、深掘掘削が完了し、肉眼で土層堆積の観察を専門家の方と実施しました。
観察の結果、過去の令和3年から4年度にかけて実施した窪地地点の深掘地点と同様に、一部の
土層が消失している可能性が推定されました。
土層堆積状況を図面で記録した後、今後分析するための土壌のサンプルを採取しました。
そのほか別地点で調査していた46トレンチの精査が終了しました。
この46トレンチは後世の造成を受けていましたが、確認面からは縄文時代後期の遺構を確認しました。
11月6日(水曜日)天気:晴れ
窪地と推定されるトレンチ東部地点において、土層の堆積を確認するための深掘調査を開始しました。
そのほか、トレンチ西部の貝層が堆積する土層のさらに下の土層からは、縄文時代後期頃の住居に伴う柱穴や、縄文土器片などが出土しています。
10月30日(水曜日)天気:曇り
先日から調査しているトレンチの壁際で出土した埋設土器の細かな記録作業と、取り上げ作業を実施しています。
土器の中からは土器片とともに白色粒子も確認し取り上げました。
10月21日(月曜日) 天気:曇り
トレンチの壁際で出土した縄文土器(深鉢)を取り上げるために土器の周辺を拡幅しました。
据え置かれた状態の縄文土器は胴部付近で混貝層に切られるかたちで確認されました。
反対側の縄文土器も同様に周辺を拡幅し、出土状況を記録して取り上げます。
10月19日(土曜日) 天気:晴れ
発掘調査現地説明会を開催しました。午前の回と午後の回を合わせて33名の参加がありました。県外からも来訪いただきました。
行きは郷土博物館からバスで山野貝塚の周辺まで向かい、現地と今年度調査地点の様子をご覧いただき、帰りは山野貝塚から郷土博物館までを
山野貝塚ボランティアの方による周辺の文化財や景観のガイドのもと徒歩で戻りました。
朝晩と雨が降りましたが、現地説明会の時間は良い天気に恵まれました。
参加者の皆さま、ご協力いただいた山野貝塚ボランティアの皆さま、ありがとうございました。
10月17日(木曜日) 天気:曇り時々晴れ
この日は先日出土した縄文土器(深鉢)を取り上げるために拡幅部分の断面図を作成しました。
また、10月19日の山野貝塚発掘調査現地説明会に向けて調査区全体を精査をしました。
10月11日(金曜日) 天気:晴れ
混貝層の下から獣骨がまとまって出土しました。当時の人々が狩猟し、食べたのでしょうか。
先日出土した縄文土器(深鉢)の反対側の壁際より、新たに縄文土器が出土しました。
10月4日(金曜日) 天気:晴れ
トレンチ西側の貝層付近では、据え置かれた状態で縄文土器(深鉢)が出土しました。
窪みの周囲に展開する高まりとの境界を把握するために設定した南側のトレンチでは、近年の盛土(写真の黄土色の砂質土)が80cm程堆積していました。
トレンチ下層の黒色土中からは縄文時代後期を主体とした土器が出土しています。
9月26日(木曜日) 天気:晴れ
西側の貝層範囲の一部を掘り下げて堆積状況を調査しています。
イノシシまたはシカのものと思われる歯が出土しました。
9月24日(火曜日) 天気:晴れ
秋分を過ぎると涼しくなり、作業しやすい気候となってきました。
トレンチの東側では中央窪地と推定される地形が露わになりました。底面からは縄文時代晩期の土器が出土しています。このことから縄文時代晩期にはこの面が表出していたと推定されます。
9月19日(木曜日) 天気:晴れ
トレンチの中央部では土器が多量に出土しています。縄文時代の住居の痕跡でしょうか。
トレンチの東側においてもローム土壌(火山灰質の黄色土)を含む土層が見えてきました。
9月18日(水曜日) 天気:晴れ
東側に向かって傾斜する地形が視認できるようになってきました。
トレンチの西側では縄文時代後期、東側では縄文時代晩期の土器が多く出土する傾向がみられます。
調査トレンチ南西から撮影 調査トレンチ北東から撮影
9月12日(木曜日) 天気:晴れ
トレンチの西側では、縄文時代後期頃の土器や獣骨を伴う貝層が少しずつ見えてきました。
時期推定が可能なある程度の大きさの土器は、出土位置を測量し取り上げます。出土状況から集落の変遷を窺い知ることができます。
9月10日(火曜日) 天気:晴れ
令和6年度の山野貝塚発掘調査が始まりました!
人力による掘削を行っています。トレンチの西側からは貝層が確認されました。