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個人住民税の計算方法
個人市県民税の計算の流れ
個人住民税は、次のような順番で所得・控除等を計算し、税額を求めます。
- 収入金額 - 必要経費等 = 所得金額
- 所得金額 - 所得控除額 = 課税所得金額
- 課税所得金額 × 税率 - 調整控除 - 税額控除等= 所得割額
- 所得割額 + 均等割額 = 個人市・県民税額
補足
不動産や株式等の譲渡所得、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得、山林所得、退職所得などについては、他の所得と区分して各々の計算方法により税額が算出されます。
均等割
市民のみなさんに広く均等に負担していただくもので、定額です。
市民税 3,500円 県民税 1,500円
所得割
みなさんの前年中の所得の額に応じて負担していただくもので、一般に次の計算式で算出されます。
収入金額-必要経費等=所得金額
→ 所得金額-所得控除額=課税所得金額
→ 課税所得金額×税率-調整控除-税額控除等=所得割額
(1)所得金額
所得金額とは、前年の1月1日から12月31日までの1年間の収入から必要経費を差し引いたものです。
また、所得は10種類に区分されます。
- 事業所得(営業、農業)
- 不動産所得
- 利子所得
- 配当所得(総合課税、申告分離課税、申告不要)
- 給与所得
- 雑所得(公的年金、業務、その他)
- 譲渡所得(総合課税、分離課税)
- 一時所得
- 山林所得
- 退職所得
注意
次のような所得は、収入金額の多少にかかわらず非課税所得として区別され、課税の対象にはなりません。
- 傷病者や遺族などの受け取る恩給、年金(障害年金、遺族年金)など
- 給与所得者の出張旅費、通勤手当
- 損害保険金、損害賠償金、慰謝料など
- 雇用保険の失業給付
所得金額調整控除
一定の給与所得者の総所得金額を計算する場合に、一定の金額を給与所得の金額から控除するというものです。
所得金額調整控除は、次の(1)または(2)のとおり、2種類の控除があります。
このうち、(1)の控除は年末調整において適用することができます。
(1)子ども・特別障害者等を有する者等の所得金額調整控除
納税者本人の給与等の収入金額が850万円を超え、次のアからウのいずれかに該当する場合、
給与所得の金額から、下記の式で求められる所得金額調整控除額を控除します。
対象者
ア 本人が特別障害者に該当する者
イ 年齢23歳未満の扶養親族を有する者
ウ 特別障害者である同一生計配偶者または扶養親族を有する者
計算式 控除額 = (給与等の収入金額(1,000万円を超える場合は1,000万円) - 850万円) × 10% |
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(2)給与所得と年金所得の双方を有する者に対する所得金額調整控除
納税義務者本人に、給与所得及び公的年金等に係る雑所得の両方があり、その二つの合計額が10万円を超える場合、
給与所得の金額から、下記の計算式で求められる所得金額調整控除額を控除します。
計算式 公的年金等に係る雑所得(10万円を超える場合は10万円) - 10万円 |
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(2)課税所得金額
課税所得金額とは、所得金額からそれぞれの人の実情に応じた所得控除の合計額を差し引いて千円未満切捨てたものです。
所得控除の種類とその概要は、以下のとおりです。
- 雑損控除
- 医療費控除
- 社会保険料控除
- 生命保険料控除(一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料)
- 地震保険料控除
- 小規模企業共済等掛金控除
- 障害者控除
- 寡婦、ひとり親控除
- 勤労学生控除
- 配偶者控除(一般、老人)
- 配偶者特別控除
- 扶養控除(一般、特定、老人、同居老親)
- 基礎控除
- 寄附金控除
合計所得金額
次のアとイの合計額に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額です。
ア)事業所得、不動産所得、利子所得、給与所得、総合課税の配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)
イ)総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額
申告分離課税の所得がある場合には、それらの特別控除前の所得金額の合計額を加算した金額です。
ただし、繰越控除を受けている場合は、その適用前の金額をいいます。
総所得金額等
次のア・イの合計額に、退職所得金額、山林所得金額を加算した金額です。
ア)事業所得、不動産所得、利子所得、給与所得、総合課税の配当所得・短期譲渡所得及び雑所得の合計額(損益通算後の金額)
イ)総合課税の長期譲渡所得と一時所得の合計額(損益通算後の金額)の2分の1の金額
申告分離課税の所得がある場合には、それらの特別控除前の所得金額の合計額を加算した金額です。
ただし、「合計所得金額等」で掲げた繰越控除を受けている場合は、その適用後の金額をいいます。
(3)税率
課税所得金額(所得金額から所得控除を差し引き、千円未満切捨てたもの)に次の税率を乗じて所得割額を求めます。
市民税の税率 6%
県民税の税率 4%
補足
土地建物などの資産や株式等の譲渡所得、先物取引、申告分離課税を選択した上場株式等の配当所得は税率が異なりますので、下記をご覧ください。
(4)調整控除
所得税から住民税への税源移譲に伴い、平成19年度から創設されました。
人的控除は、住民税の控除額のほうが低いことから、納税者の負担が増加してしまうため、その増加分を調整するものです。
(5)税額控除
配当所得のある場合や外国の税法に基づいてその国で、所得税や住民税に相当する税金を支払っている場合は、所得割額から税額の控除が受けられます。
- 配当控除
- 住宅借入金等特別税額控除
- 寄附金税額控除
- 外国税額控除
(補足)
寄附金税額控除は、都道府県・市区町村に対するもの(いわゆるふるさと納税)、住所地の日本赤十字支部・共同募金会に対するもの、市・県条例で指定されたものが対象となります。
また、東日本大震災に関する義援金で一定の要件を満たすものは、ふるさと納税の制度を拡大して適用することとされましたので、申告の際はご注意ください。
(6)配当割額、株式等譲渡所得割額控除額
上場株式配当所得、上場株式等譲渡所得から配当割、株式等譲渡所得割が5%徴収されている方がその所得について申告した場合、翌年度の市・県民税所得割から配当割、株式等譲渡所得割を控除します。控除することができなかった額については、合計税額(均等割含む)の納付額に充当し、充当しきれなかった額は還付します。