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広報そでがうら+ vol.84 児童発達支援・放課後等デイサービス ふたば(内藤さん&折本さん)

印刷用ページを表示する 更新日:2023年6月7日

 ふたば表紙

広報そでがうら+ vol.84

児童発達支援・放課後等デイサービス ふたば(内藤 夕美子さん&折本 弥子さん)

​ 今年4月に開所した、医療的ケア児や重症心身障がい児へのデイサービスを行う「児童発達支援・放課後等デイサービス ふたば」の内藤さん、折本さんにお話を伺いました。

施設の概要を教えてください。

 人工呼吸器の使用や胃ろうにより、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な「医療的ケア児」と、重度の肢体不自由と重度の知的障がいが重複した「重症心身障がい児」をお預かりする施設です。
 ただ、私たちの考える「重症児デイサービス」は、『見かけ上の一時的なレスパイト(お預かり)をするのではなく、お母さんが本当に求めている、休息・社会復帰を支援したい。』という、あくまでもお母さんファーストを目指しているので、1日でも半日でも預かることができる、融通のきく施設として運営しています。

ふたば1 ふたば4

開設した経緯を教えてください。

 一番のキッカケは、私(折本さん)が「医療的ケア児」を育てる母親になったからです。私の第4子「こうちゃん」は、食道と胃が繋がっておらず、気管も未熟で、自力で息をすることもできませんでした。3歳になった今でも人工呼吸器は欠かせず、たんの吸引など、医療的ケアが日常的に必要です。
 こうちゃんは、生まれてから2年半病院に入院していました。なんとか退院させてあげたいと思っていましたが、その当時市内には、退院後に医療的ケアをしてくれる預け先はありませんでした。なんとかできないかと市役所や病院に相談してみましたが、こうちゃんを退院させるには、私が仕事を辞める選択肢しかありませんでした。
 その時、「私と同じような思いをしているお母さんがいっぱいいるのではないか。なら私がやらなくて誰がやるんだ。」と思い立ち、開設を決意しました。
 内藤さんは、そんな私の気持ちに賛同してくれて、一緒に仕事を辞め、開設することになりました。

ふたば3

開設までに大変だったことはありますか。

 すべてが大変でした(笑)。私達は看護師でしたが、小児科領域の経験がなかったので、児童支援の制度などは全く分からず、子育てや仕事と並行して、勉強や施設見学にも行きました。申請などの書類手続きも難しく、その道のりはスムーズなものではなかったです。3歩進んで2歩下がるの繰り返しでした。
 それでもあきらめなかったのは、開設に向け行っていたクラウドファンディングを通じて、私達の理念に共感してくれるたくさんの人とつながりができたことが大きかったです。共感してくれる人が増えれば増えるほど、自分たちのやっていることは必要なんだという意志や、自信が沸き、開設まで頑張ることができました。

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印象に残った「人」とのエピソードを教えてください。

 4月に会った、あるお母さんがとても印象に残っています。
 ふたばでは、初回利用の際、お母さんも付き添いで来て、私達のケアを間近で見てもらい、私達にお子さんを任せてもいいかという判断をしてもらっています。その判断は、初回でも大丈夫で、その親子の場合は、お母さんもお子さんも、すぐにふたばを気に入ってくれたので、お母さんも思いがけず、初回から自由な時間を過ごしてもらうことができました。1時間程度お預かりした後に、帰ってきたお母さんの明るい表情は今でも忘れることはできません。たった1時間程度でしたが、ずっと見たかった桜を、数年ぶりにゆっくり見ることができたことに、すごく感動してくれました。 
 まさに私達の理念に掲げていた「お母さんが本当に求めている、休息・社会復帰を支援したい。」を叶えることができ、それをとても喜んでもらえたので、私達も言葉にならないくらい胸がいっぱいになりました。

今後の目標を教えてください。

 ありがたいことに、ふたばは開設1ヵ月で満員になりました。今はお問い合わせをいただいても対応できないことが多くあるため、事業所をもう1つ構えて、より多くのお母さんを助けたいと思っています。
 また、今の「児童発達支援・放課後等デイサービス」の体制だと18歳までのお子さんにしか支援することができません。18歳を超えると行先がなくなってしまいます。そのため、18歳を超えたお子さん、お母さんを支援できる場所も作りたいなと考えています。

 

​​2023年5月23日取材
 「広報そでがうら+」では、広報そでがうらで紹介しきれなかった記事や写真を配信します。

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