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広報そでがうら+ vol.74 袖ヶ浦高校 人権講話
広報そでがうら+ vol.74
袖ヶ浦高校 人権講話
「本当のこと」を知る大切さ ~ウクライナから避難して一年~
3月22日に、袖ヶ浦高校で、人権講話が行われました。
『「本当のこと」を知る大切さ ~ウクライナから避難して一年~』をテーマに、ウクライナ避難民で、現在は敬愛大学地域連携センターで働く、パンコーヴァ・オルガさんがウクライナが置かれている状況などを語りました。
オルガさんは、講話を聞いた1・2年生に対し「今も戦争は続いている。何の罪もない人がたくさん亡くなっている。本当のことを知って、周りの人へ共有してほしい」と呼びかけました。
また、講話の最後には、美術部の生徒が描いたオルガさんファミリーの似顔絵をプレゼントしました。
袖高生からオルガさんへの質問
ロシアの侵攻が始まってから、住んでいたマンションの地下室で生活していたとありましたが、どんなことを思って生活していましたか?
いつまで続くのだろうということを考えていました。あと1日、あと2日、あと1週間…もう少し頑張ればウクライナが勝って、普通の生活に戻れると思っていました。こんなに長く続くとは思わなかったですし、すぐに終わると信じていました。また、当時は2月でとても寒かったので、「ベッドで寝たいな」「温かい部屋で過ごしたいな」ということも思っていました。
日本へ避難してきて思ったこと、過ごしてみて感じたことはありますか?
私は敬愛大学に留学をしていたこともあり、ある程度は日本の文化を分かっていたので、特別驚いたことはなかったです。ただ、一緒に避難してきた母親と息子にとっては、言葉の壁や文化の壁などもあり、難しく感じることがあったと思います。息子が日本の小学校に通い始めたのですが、ウクライナの学校よりも規則が厳しいので、小さなおもちゃを持って行ってしまったなんて失敗もありました(笑)。
日本で過ごして思うことは、攻撃をされないという安心があること、また普通の生活ができるということに感謝しています。
ロシアの侵攻に対してどう思いますか?また、私たちが支援できることはありますか?
ロシアは一切許せません。とてもひどいこと、ありえないことをされたと思っています。侵攻前は、ウクライナ国内に多くのロシア人が住んでいたことや、同じ民族だったこともあり、私自身もロシア人の友達がたくさんいました。けれども、ロシアによる侵攻が始まったことで、ウクライナの人々は夢や将来を奪われました。いつ戦争が終わるのか、いつウクライナへ戻れるのかも分かりません。今は、ウクライナ人とロシア人は全く違う民族だと考えています。
また、日本には、すでに多くの支援をしてもらっています。財政的な支援だけでなく、生活のサポートもしてくれて、本当に感謝しています。他の支援としては、情報的なサポートをしてほしいです。「本当のこと」を知って、周りの人へ伝えてもらいたいです。
講話の中で「自由」という言葉が出てきましたが、オルガさんにとって「自由」とは何ですか?
自分の考えを表すこと、行きたいところへ行くこと、勉強したいことを勉強すること…自分で行動ができることだと思います。ウクライナの人々は「生まれ育った国で生活したい」という自由を、ロシアに奪われました。ロシアはウクライナのすべてを自分たちのものにしたいと思っていますが、ウクライナの民族や文化を守り続けるために、最後の一人まで戦い続けます。
講話の感想を聞きました
2年生 濱口侑統さん
ウクライナの方の率直な言葉を生で聞いたことがなかったので、刺激になりました。道端に遺体があることや、この1年で8千人の方が亡くなり、その中の400人は自分と同じかそれ以下の年齢の子ども達が亡くなっているということを聞き、戦争で人権や平和は奪われてしまうんだなと印象に残りました。
1年生 永島美鈴さん
講話の中で、ショッピングモールが急に爆撃されたり、今まで一緒に歩いていた親子が子どもだけ亡くなってしまったりということを聞き、それが日常で起こっていることが、今の私たちの生活では本当に考えられないことだと思いました。講話を聞き、安全で、友達や家族と楽しく過ごせる生活が、世界中の人に平等にいきわたるようになったらいいなと思いました。
2023年3月22日取材
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